【震災孤児にとっての家族】

昨日、東北子どもの村主催の里親研修「子どもにとっての家族」(http://soscvtohoku.org/?p=134)を受講してきました。

講師は九州大学大学院の人間環境学研究院で臨床心理士として教鞭を執り、自らも長い間児童養護施設に勤務していたことからの体験談を踏まえて体系的にお話をして頂きました。

一般的な里親・孤児というテーマについてのお話ながら、震災孤児とその保護者が遭遇するであろう内容について大変参考になりました。以下は私なりに大事と思った要旨です。
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■ 代替養育について
・可能な限り住み慣れた場所に子どもをとどめることに最大限の努力をするべき
・経済的または物質的貧困は、子どもが分離する唯一の正当な理由とみなされるべきではない

■ 里親養育の特徴
・違う環境、人への緊張、不安、恐れ
・関係性の構築、里親家庭への適応には時間が必要~ゆっくり、気長に、完全を求めずに

■ 子どもたちにとって大切なこと
・人との信頼感が持てること
・安全で安心な日々の生活
・依存から独立へ、行きつ戻りつ、反抗にも関わらず帰ってくることができる

■ 愛情依存対象を失ったときの情緒危機
・不安、恐怖、パニック 身体的反応
・情緒危機が和らぎ、適応力が回復するとともに対象を失った悲しみが実感される。
・悲哀の心理が抑圧され、何年もたって呼び起される

■ 子どもの喪失
・最も依存すべき対象者との別れ
・慣れ親しんだ環境、生活環境
・友人、先生、近隣
・苦痛、不安、落胆、悲嘆、発達の遅れ、睡眠障害、無表情

■ 里親が出会う喪失
・ストレスによる健康
・家族の安定
・自尊心の喪失(子どもの反応による無気力さなど)
・地域の中での立場(謝る役割)

■ 喪失との付き合い方
・第一段階 ショック、否認、抗議
・第二段階 取引、交渉
・第三段階 怒りの表出、行動化
・第四段階 怒りの内面化、落ち込み
・第五段階 理解と受容
※ 怒りを出すのは正当で、生みの親より里親に向かいやすい

■ 里親との愛着形成と支援
・第一次愛着形成期 絆のつながる時間、親になっていく時間
・第二次愛着形成期 不協和、不調の兆候の時の支援、サポート体制
・二種類のサポート体制が必要
(児童相談所等のフォーマルサポートと近所、仲間、家族、友人等のインフォーマルサポート)
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震災孤児については、両親を亡くしたことで祖父母、叔父叔母、兄弟姉妹が養育者となり、代替養育が行われていますが、震災から2年半が過ぎて、その養育者が亡くなったり変わったりするケースも出てきており、「分離喪失体験」をした子どもたちの心理状態も少しずつ変化が出ているように感じます。

〝子どもたちの反抗に(高齢の)保護者が耐えられるか”
〝保護者が寿命や病気等で亡くなった場合、新たな喪失体験にどう子供たちが向き合うか”
〝保護者自身もグリーフケア、癒しが必要な心理状態の中で、子どもと十分にかかわることができるか”
〝震災からの時間の経過と共に呼び起される悲しみは誰が向き合ってやるのか”

JETOみやぎは「子どもたちの悲しみに寄り添う」という姿勢で、経済支援、就学・留学支援、心のケアなど行っていますが、子どもたちを訪問する度に役割の大きさ、支援の必要性を感じながら日々活動をしています。

正に、今、この瞬間瞬間を生きる子供たちの未来に幸が多くなることを祈念して! 



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英国より

とても、勉強になりました。ありがとうございます。
プロフィール

JETOみやぎ事務局

Author:JETOみやぎ事務局
「認定NPO法人 JETOみやぎ」は、東日本大震災で両親を亡くした孤児を支援するプロジェクトです。

2014年8月26日に認定特定非営利活動法人としての認定を取得しました。

http://www.jeto-miyagi.org

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